田村耕太郎著「頭に来てもアホとは戦うな!」の読書感想文です。
なかなかパンチの強い題名と内容から瞬く間にベストセラーとなったビジネス書ですが、結論から申し上げると期待ハズレな内容でした。(個人的な感想です)
では一体どんな内容で何が期待ハズレだったのか?についてご紹介したいと思います。
なるべく具体的な記載はしませんがネタバレも含んでおりますので、予めご了承ください。
念を押しますが、あくまで個人の感想です。
頭に来てもアホとは戦うな!とは
2014年に発行された田村耕太郎著のビジネス書です。
発行部数10万部でベストセラーと呼ばれているところで、65万部の大ベストセラー。
のちにコミカライズ、TVドラマにもなっています。
この本を選んだ理由

- 目を引くタイトル
- ベルトセラーの棚に平積みで置かれており、如何にも売れ筋の本との演出がされていた。
- 帯の煽り文章の秀逸さ
- 個人的な理由
ご覧の通り、インパクト大のタイトルが平積みですので目に止まったのは間違いありません。
また、帯に書かれた【イライラが一瞬にして消えるスゴイ本】このフレーズも結構な破壊力で思わず手にしてしまったのです。購入した当時は気にもしませんでしたがこの帯のキャッチフレーズは堀江氏だったのですね。
なんとなく手に取りミーハーな気持ちで購入しましたが、個人的にこの本に期待したことがあります。
数は少ないですが、これまで読んだビジネス書や自己啓発本で「本当に役に立った」「自分に落とし込めた」という本に出合った事がありません。
なので淡い期待を込めて購入しました。
【頭に来てもアホとは戦うな!】の概要

大まかに内容をまとめると・・・
- 自分を邪魔する人をアホと呼ぼう。
- アホとは戦うな!戦っても傷つくのは自分。
- アホへの対処法(各種)
- 自分らしく生きよう
1.自分を邪魔する人はアホと呼ぼう
どんな場所にも理由が無く引っかかってくる人、迷惑な人、邪魔をしてくる人はいる。そんな人たちは『アホ』と呼んでしまおう!
アホはやたらと好戦的で理不尽なので相手をしてしまうと、こちらも戦いに付き合ってしまう。
2.アホと戦うな!戦っても傷つくのは自分。
アホは自分よりも権力者である場合もある。その場合は、戦うだけ損。逆に自分を追い込む事になる。
いかにアホと戦う事がバカバカしいかを説明している。
3.アホへの対処法(各種)
ではアホの対処方法はどうすればいいか?
- 戦いの回避方法。(ちょっと高度)
- アホを仲間(利用)にする方法。
- ストレス解消方法。
4.自分らしく生きよう
結局自分の人生を生きるのは自分自身で他人の評価はほんの一部でしかない。最後にモノを言うのは自分の中にある目的意識だ!!
以上 こんな感じの内容です。
この本を読んだ感想

冒頭で申し上げた通り期待ハズレでした。
はっきり言って、出オチです。
この本はタイトルのインパクトが強すぎて、それ以上の衝撃は中身を読んでも私に響いてきませんでした。
不満な点
何が不満だったのかを列挙します。
・具体性が無かった。事例に共感できなかった。
この手の本のサガというか宿命というか、万人向けに書かなければならない為、具体的な事例は少なめでイメージを喚起させるような書き方をしております。
仕方が無い側面もありますが、シチュエーションや職種別などの事例や対処方法の具体性が欲しかったです。
そうでないと自分に置き換えた時の対処方法が自分の中に落ちてこないのです。
具体例で作者の経験談もありますが、政治家や官僚の話なんてピンときます?
・章の流れが悪く、理解しずらい。
この本を通しての文章に流れがありません。
一応、章ごとにテーマを決めて紹介されているのですが、章の内容も起承転結では無く、作者が思いついた順に並べている様に感じます。
体系付けて説明していただかないと頭に入ってこないのです。
・解決方法が我慢というお粗末さ
アホと戦う事が如何に無意味であるかという事は非常によくわかりましたが、戦わないようにする対処方法が余りにスッキリしません。
相手は感情的にこちらを攻撃してくるのに対しての対抗策が・・・・
「理性的に耐える」って?
あまりに理不尽でストレスが溜まりますよ。戦わずして、ギャフンと言わせる方法を教えて欲しくて読んだのに。
本の帯に書いてありましたが、この方法でイライラが一瞬に消えますか?
共感した章だけ紹介
では読むだけ損なのか?と言われればそんな事はありません。
響いたところもあります。
- 5章 人生は、あなたが主役であるべきだ。
- 最終章 あなたの『目的』はどこにある?
この二つの章に関しては共感したし、『改めてそうだよな、、』と思い出させる内容でした。
正直過激なタイトルなど付けずにこの二つの章を中心してもらえればもう少し素直に内容を受け取れたような気がします。
まとめ
多少批判的な意見が多かったのはコチラが期待していたものとは違った内容だった事に対する裏返しかもしれません。
ともあれ、この本を通して自分自身の意見を色々と考させてくれるきっかけを作ってくれた意味では読んで良ったと思います。
この本を通して、良い悪いに関係なく自分の中での人付き合い論を改めて認識する良い機会となりました。
教えを一方的に情報を受け取るというより、自問自答の機会を持つという予想外の結果が得られたのかもしれません。いずれにしろ購入時の期待とは違いますが。
気になった方は話のネタにでも読んでみてはいかがでしょうか?