どうも、タヌスケ(@osu_zakki)です。
突然のニュースに驚いた方がいたかどうか?わかりませんが、私は一人で驚きました。
横浜エクセレンス監督のジョゼップ・クラロス・カナルス(ペップ)が契約解除となってしまいました。
どういう裏事情があったのかは知る由もありませんが、今回はこれまでペップ監督がもたらしたものを見つめて、これから先のエクセレンスの進むべき道を考えたいと思います。
ペップ監督 契約解除
今シーズンよりヘッドコーチとしてエクセレンスを率いてきたジョゼップ・クラロス・カナルス。愛称ペップ。
これまでエクセレンスのヘッドコーチは2017シーズンから長らく石田剛規氏だったが、兼業していたGM業務に専念するためペップを招集したとされている。にもかかわらずの契約解除。事実上の解任と考えて良いだろう。
ペップは直前で行われた2023バスケットボールワールドカップのアンゴラ代表監督として話題になった(?)。
海外の代表監督がエクセレンスの監督になるなんて・・・すごい!!
と2023-24シーズンの体制発表会では感激したものです。
アンゴラは26位。そんなに強くないけどね。
ペップは実は秋田や福岡でBリーグでの監督経験が既にありましたので、日本でのフィットも心配なかった訳です。
戦術としてはディフェンシブスタイル。谷口、菅、今川、平良ら選手はかつてペップの下で戦った事があり、ディフェンシブなチームを体現する要として新加入したと考えられる。
ペップの功罪
結果的に契約解除となってしまったペップ。契約解除の理由として以下が挙げられている。
- 勝率が悪い。
- 目指すスタイルを確立できなままシーズンが終わってしまう。
- B2昇格、B3優勝どころかプレイオフ進出も危うい。
10節終了時で勝率6割。悪い数字では無いが、高い目標を掲げている以上満足できる数字ではないという事だ。
それにしてもペップが目指していた形とはどんなものでどれだけ進捗してたのだろうか?
目指すべき体制とは2023-24始動時に発表された指針だとして、11節が終了した時点のスタッツを確認してみよう。
課題の再確認と共に検証することでペップの功罪が少しわかるような気がする。
①上位チームとの対戦で負け越している。
11節終了時の順位は5位。エクセレンスより上位チームとの対戦(10節よりペップ体制ではないので厳密には違いますけど)
対戦 | 勝 | 敗 | 残 | 勝率 | 総点 | 総失点 | 得失点差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
福井 | 0 | 2 | 0 | .000 | 170 | 191 | -21 |
徳島 | 1 | 1 | 2 | .500 | 163 | 156 | 7 |
香川 | 2 | 0 | 2 | 1.000 | 159 | 147 | 12 |
鹿児島 | 0 | 0 | 0 | .000 | 0 | 0 | 0 |
福井には連敗しているけど、香川には勝っている。また鹿児島との直接対決もまだであることから明確に答えは出ないが、悪い結果ではない。
②クラブ勝率80%超
2022-23シーズン上位2チームの勝率は80%を超えていたことを踏まえて、勝率を挙げることを目標に掲げた。ちなみに昨シーズンのエクセレンスの最終勝率は0.769。11節終了時の勝率は0.636。
尚、現在上位2チームは80%を超過していることから、指針としては間違っていない。
ペップ解任の理由として挙げられていたが、上位チーム以外にも連勝できない事が原因。それだけ相手も強くなっているとも言えるが。
③ディフェンス力の強化
今シーズンの目玉と言え、ペップを起用する目的とも言っていいディフェンス力。
そもそもディフェンス力強化を挙げた理由は以下となる。
下記は2022-23シーズンの上位5チームのスタッツ(カッコ内はカテゴリーごとのリーグ順位)
対戦 | O REB | D REB | STL | TO | BLK |
岩手 | 14.7(1) | 26.8(8) | 9.0(3) | 11.9(3) | 2.5(7) |
埼玉 | 14.3(2) | 29.5(2) | 7.6(8) | 11.7(2) | 3.0(2) |
静岡 | 10.5(10) | 28.4(5) | 8.3(4) | 12.1(4) | 2.7(5) |
鹿児島 | 12.3(5) | 27.2(7) | 9.5(2) | 14.6(12) | 3.9(1) |
横浜EX | 10.4(11) | 30.6(1) | 6.9(10) | 13.8(7) | 2.3(10) |
これを見るとDR(ディフェンスリバウンド)は1位だが、それ以外はリーグ最下位レベルという事。
リバウンドで勝てない相手には勝てないという図式になり、実際上位チームには勝てなかった。
そのため、スチールやブロックなどのディフェンス面の強化が必要という訳だ。
11節終了時のデータと比較しよう。リーグ内での順位は不明なので、昨年との比較のみを行う。
GP | W | L | WIN% | L10 | STRK | PTS | 3PM | 3PA | 3P% | 2PM | 2PA | 2P% | FTM | FTA | FT% | PF | OREB | DREB | REB | TOV | AST | STL | BLK | MIN |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
22 | 14 | 8 | 63.6 | 6-4 | 2 | 1873 | 202 | 568 | 35.6 | 477 | 862 | 55.3 | 313 | 464 | 67.5 | 513 | 311 | 530 | 841 | 378 | 449 | 193 | 76 | 4400 |
比較した結果
OREB:14.1(+3.7) DREB:38.2(+7.6) STL:8.77(+1.8) TOV:17.1(+3.3) BLK:3.45(+1.1)
TOVは増えているものの、それ以外は強化されていると考えていい。
一方でデータとしては出せていないが、ファウルの多さが非常に目に付く。ディフェンスが強化されたからと考えたいが、不要なものも数多くみられる。ただ、直近の試合では多少減ってきているので改善傾向か?
④ロスター全員で戦うチームに
昨シーズンは外国籍の選手が65%以上の得点をあげており、その選手の出来不出来で結果が大きく左右されていた。そのため、今年は全ての選手が偏りなく、いつでも活躍できるチームを目指す。というものだった。
2023-24シーズン 11節終了時点のでポイント上位は以下となる。
1 | グラント・シットン | 305 |
2 | クラヴス・チャバルス | 299 |
3 | ソウシェリフ | 226 |
4 | 増子 匠 | 182 |
5 | ババトゥンデ・オルムイワ | 181 |
6 | 小澤 智将 | 140 |
7 | 田口 暖 | 101 |
TOP2は外国人選手。この2人なくしては試合にならないのは事実。チャバルスは攻撃だけでなく、リバウンド・ブロックなどのディフェンス面でも要。というかチームの要!大黒柱。
どうしてもこの2人に頼っているのは否めない。
ディフェンスも良いが、もう少し日本人選手のオフェンス力をどうにかして欲しいとは常々思う。
特にフリーなのにシュートを打たずにパスをするとか。小柄な選手がゴール下に切り込んでも100%パスすると見切られているので、ワンパターンはやめた方がいい。ブロックされてもイイから自分で決める意思の強さが欲しいところ。
そんな中では増子の得点力は目を見張る。土壇場で決めきる度胸と恐ろしいほどクイックなシュートモーションには今シーズン何度も救われた。
石田体制
ペップが去り、結局昨シーズン同様に石田GMが監督になった訳だが、今後のエクセレンスはどうなるだろうか?
声明ではペップの方針は受け継ぐ。つまりディフェンシブなスタイルは継続との事。
では、なぜ解任となったのか?それともペップがさじを投げたのか?
いずれにしろ、これからプレイオフやB2昇格を狙うのであれば、今までのスタイルと変わりありませんでは結果はついてこない。ここから新たなスタイルを追加していく必要があると思う。
カギとなるのは、2ポイントエリアでのシュートだと考える。
これまでの得点はチャバルスやトゥンベ、ソウのインサイドもしくはシットン、増子の3pの2極化している。逆言えばそのほかの選手のシュートが少ない。そして入らないのだ。
ディフェンシブな選手だとしても5人しか出られない種目なので、もっと積極的に攻めてほしい。
ドライブで攻め込んでほしい。ストップして2pエリアでジャンプショットして欲しい。そう思う。
まとめ
全くまとまらないのだが、ペップ解任という衝撃的なニュースと共に現在のエクセレンスの状況を整理してみた。
徐々にチームとしてまとまってきた感がある中で、このタイミングの監督交代は吉と出るはずもない。が、少なくとも今のままで良い訳がないので、変わっていくしかない!
先日の首位との対決でも力の差はそれほど感じなかった。勝つべき試合を落とさない堅実さと上位チームに勝ち切る爆発力は持ち合わせていると信じている。
今後の試合も注目したい!!