どうも、タヌスケ(@osu_zakki)です。
今回は、SONYのEマウントAPS-C用マクロレンズ【SEL30M35】を実例写真とともにレビューします。
「ズームレンズ」や「標準画角の単焦点レンズ」に比べ優先順位が低くなりがちな「マクロレンズ」。手にする方は少ないのではないでしょうか?
実は「マクロレンズ」は他のレンズでは撮影できない特殊な機能を持ったレンズです。
「ズーム」や「広角」とも被らない持っておいても損しないレンズなのです。
しかも、今回紹介する【SEL30M35】の最大の魅力なんといっても値段が安いことです。
コスパ抜群のレンズですので、気軽にマクロ撮影を楽しむことができます。
この記事では「そもそもマクロレンズってなに?」という疑問から【SEL30M35】を実際に使用したレビューを紹介します。
本ブログ掲載のカメラ・レンズの画像以外はほぼすべてα6000+【SEL30M35】で撮影しました。※jpeg撮って出しですが、ブログ掲載にあたり容量を落としております。
ぜひ参考にしてみてください。
マクロレンズとは
まずはマクロレンズとは何なのか?というところから説明したいと思います。
簡単に言えば、「被写体を大きく撮影することができるレンズ」の事を言います。
難しい言葉では「最大撮影倍率が1/2~1倍(等倍)のレンズ」の事です。
マクロレンズを語るうえで、必ず使われる言葉があります。
それが【最大撮影倍率】と【最短撮影距離】です。
【SEL30M35】を紹介する上でも必要な用語ですので、簡単に紹介します。
最大撮影倍率
読んで字のごとく、「最も大きく撮影できる大きさ」の事を言います。
実はカメラのレンズは被写体を実際よりも小さく撮影するものが多いです。
例えば、標準ズームレンズで最大撮影倍率:0.25倍となった場合は、実際よりも1/4のサイズで写ることになります。
それに対して実際の被写体と同じ(もしくは半分)で撮影できるレンズの事を【マクロレンズ】と呼んでいます。
最短撮影距離
読んで字のごとく、「撮影できる最短距離」の事を言います。
レンズによってピントが合ってくれる最短距離が決まっております。
例えば、標準ズームレンズ【SEL1650】の最短撮影距離は0.25m(25cm)です。
この場合、被写体との距離が25cmより近くなってしまうとピントが合わずに撮影できません。
対して【SEL30M35】の最短撮影距離はわずか0.09m(9cm)。レンズの先端からの距離は2cmと圧倒的至近距離での撮影が可能です。
すべてのマクロレンズではありませんが、最短撮影距離を短くする事で被写体をより大きく撮影できる特徴があります。
標準ズームレンズとマクロレンズの比較画像
ピントが合う最短距離で撮影した場合の被写体のサイズ比較をご覧ください。
ものすごく寄って撮影ができてますね。(実際に寄ってますけど)
すごく簡単にまとめてしまうと、
- 最大撮影倍率の最高は1倍(等倍)
- 撮影倍率が大きい方が多く撮影できる。
- 最大撮影倍率が1倍(等倍)~1/2倍くらいまでをマクロレンズと呼ぶ
- マクロレンズは最短撮影距離が近くても撮影できるものがある。
以上をなんとなくおさえておけば十分です。
SEL30M35の実写レビュー
ここからが本題の【SEL30M35】についてです。
まずはスペックから
スペック
- 名称:E 30mm F3.5 Macro
- 焦点距離:30mm(35mm換算で45mm)
- F値:3.5
- 最短撮影距離:0.095m(約9.5cm)
- 長さ:55.5mm
- 最大撮影倍率:1倍
- 質量:138g
個人的評価
あくまでわたくし個人的な評価ですので、参考までに。
質量・サイズ・携帯性 | ★★★★★ |
機能性 | ★★★★ |
価格 | ★★★★★ |
表現力 | ★★★ |
総合 | ★★★★ |
各項目についてもう少し詳しく紹介します。
サイズ・質量・携帯性
ほぼ満点といって良いと思います。
- 長さ:5.5cm(フード装着時:6.8cm)
- 質量:138g
小型が比較定多いAPS-C用レンズの中でもかなり小型、軽量の部類に入るサイズです。
カメラのレンズにおいて、小型・軽量というのはメリットでしかありませんので、控えめに言って最高です。
軽いですがシルバーでまとめられており、所有のα6000とは相性バッチリです。
ちなみに独特な形状のキャップは接写時に被写体がレンズに触れないようにする為のマクロ特有のものだそうです。
機能性
マクロレンズである重要チェックポイントの【最短撮影距離】【最大撮影倍率】についてもしっかりと抑えています。
- 最短撮影距離:0.095m(9.5cm)
- 最大撮影倍率:1倍(等倍)
という事で、被写体にギリギリまで寄れる接写が可能なマクロレンズです。
ご覧の通り、被写体ギリギリまで寄ってもピントが切れます。
ちなみに最短札距離は被写体とカメラ上面に記載されているΦ(距離基準マーク)距離の事です。この場合は9.5cmです。
また、このレンズはマクロレンズであると同時に30mmの単焦点レンズでもあります。
接写のイメージが強いですが、APS-Cの30mmはスナップとしても使いやすい画角です。
作例(クリックで拡大)
単焦点レンズはズームができないので、自ら動いて撮影する必要がありますが、被写体ギリギリまで接近できるので、一般的な単焦点レンズよりも使い勝手が良いです。
スナップと接写の両方をひとつのレンズで撮影できるのは魅力。
価格
このレンズの最大の魅力と言っていいです。
新品で23,000円台~、中古であれば20,000円を切ります。
発売からかなり経過していますが、SONY純正レンズでこの価格はかなりお買い得です。
これであれば気軽にマクロレンズを体験できると思います。
EマウントはAPS-C用レンズもフルサイズカメラで使用できます。
【SEL30M35】はAPS-C専用レンズですが、フルサイズ機をお持ちの方で「とりあえずマクロを試したみたい」という方にもおススメです?
実は、EマウントレンズはAPS-C機、フルサイズ機どちらでも使用可能なのです。
フルサイズ用のマクロレンズも販売していますが、やはり価格が倍以上します。
試してみるには高額ですので、とりあえず【SEL30M35】というのは選択肢としてありだと思います。
ただし、APS-C専用のレンズをフルサイズ機に装着した場合、APS-Cの画角にクロップされるため少し画像が拡大される点は注意が必要です。
表現力
好みがあるので一概には言えませんが、必要十分な写りです。ただ、驚くほど素晴らしいとまではいきません。
GやG MASTERではないノーマルのEマウントレンズ、APS-C用、価格、サイズなどから考えると、いいんじゃない?という印象です。
実写例
結構きれいにボケてくれます。
接写時でもオートで基本的にはピントを合わせてくれますが、ピントを迷う場合もあります。
その時はマニュアルフォーカスへの切り替えで対応します。
ちょっと気になる点 1
F値3.5ですが、接写すると暗さを感じます。
同じ花を距離を変えて撮影しましたが、被写体に接近すると明かりが少なくなるためです。
ちょっと気になる点 2
手振れ補正機能が無いため、ブレには弱いです。
特に接写時は少しのブレでも影響しますので、撮影時は注意が必要です。
しっかりとカメラを両手で構えて撮影する事をおススメします。
※手振れではありませんが、花の場合は風で揺れてしまいブレることが多いです。
接写時はαのAF機能でも捕まえることは難しいようです。
接写とズームの画像の違いについて
マクロレンズは被写体を大きく撮影できますが、ズームレンズでも拡大すれば大きく撮影する事ができます。
では問題です。
下の画像どちらがマクロレンズで撮影したものでしょうか?(画像をクリックで拡大)
この疑問は私がマクロレンズについて調べているときに思っていたことです。
ぱっと見は同じに見えます。それならそれでも良いと思われるかもしません。
正解は・・
①は標準ズームレンズ(SEL1650 50mm F5.6)
②がマクロレンズです。(SEL30M35 30mm F5.0)
画質を落として掲載しているため、多少差がわかりにくくなっていますが、実際の画像ではかなり違います。
「ここまで見ない」と言う方もいるかと思いますが、クロップなど編集で画質の劣化が小さいなどのメリットもあります。
ただ、高性能ズームレンズやフルサイズと比較したらあっさり負けてしまうとも思います。
同じ程度のレンズで比較した場合の機能差についての紹介でした。
その他の作例
まだまだ作例がありますので、ぜひ参考にしてください。
アップで撮影できることがマクロレンズの魅力ですが、アップ画像だけでは何を撮影したのかわかりづらいため、少し離れて一枚撮影する事をおススメします。
やはり、花の撮影にはもってこいのレンズです。このレンズを装着すると必然的に花を探してしまいます。
まとめ
今回はSONYのEマウント マクロレンズ【SEL30M35】の紹介をしました。
取り扱いが難しそうに感じるマクロレンズですが、意外に簡単でしかもお手軽価格ではじめられます!
次のレンズを何にするか迷っていたり、フルサイズのマクロレンズは高くて手が出せない方にはおススメです。
ここまでご精読ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。